抗凝固薬のプラザキサⓇ(ダビガトラン)はインタビューフォームには「吸湿性を認めない」と記載があるのにも関わらず、「本剤は吸湿性があるので、服用直前にPTPシートから取り出すように指導すること」とされているのでしょうか??
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添加物によって生物学的利用能を維持している
主成分のダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩は、水への溶解性が低く、
特にpH3以下の時よりpH3以上の方が溶けにくいとされています。
そのため、製剤では消化管からの吸収率を維持するために酒石酸をプラスして溶解性を上げる工夫がされています。
プラザキサⓇの添加物
この添加物のうち酒石酸は有効成分以上の量が添加されています。
薬物は酸や塩基性の物質との接触や融合によって吸湿を生じ、その結果、分解や変色をする場合があるということは周知の事実ですが、プラザキサⓇの吸湿性は主成分と配合量の多い酒石酸を中心とした添加物との混合が原因であると考えられます。
安定性試験では、包装なしのプラザキサⓇカプセルを高湿度の環境(40℃、75%RH)で1日放置すると、分解物が増えるとともに内容物の水分増加が認められるという結果が出たため、湿度によっては、内容物が短時間で湿気てくることとなります。
よって、プラザキサⓇカプセルは服用直前にPTPシートから取り出すことが必要になります。
話は変わるが・・・
プラザキサⓇカプセルは脱カプセルをして服用しないこと適用上の注意に記載があります。
これは、カプセルの剤皮を開けて中のみ服用した場合にカプセルのままでの服用と比べて血中濃度が上昇する恐れがあるため、念のために患者への注意喚起をした方がいいかなと思います。
最後に
主成分だけのことではなく、添加物のことまで考えるなんて難しすぎる!!
こんなんやってられない!と思っていますが・・・( ´∀` )笑
でも、わかるととても便利な知識で、患者さんへの説明にも一役かうような知識なんじゃないかなと思います。
もっと薬剤師力をアップさせていきたいなと思います。
また、患者さんにとっては一包化できる薬の方が服薬管理しやすいなと感じられている方も多いと思います。
他の抗凝固薬で代用できる場合には、ぜひ変更してもらうことも必要かもしれません。
では(@^^)/~~~
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