今回は、中国と日本の生薬の違いについてまとめたいと思います。
私がこれを勉強して、びっくりしたのは、同じ生薬の名前でも
中国と日本では異なるものを指している場合があるということです( ゚Д゚)
その例をお話します。
中国と日本の生薬の違い
元となる植物の種類が異なる場合や、同じ種類を使っていても使用する部位が異なる場合があるようです。
まず、前者の例が、防已、当帰、川芎です。
これらは、中国では日本薬局方で規定された植物とは別の植物が主に用いられているそうです。
次に、後者の例が、細辛(さいしん)です。
日本薬局方の細辛は使用部位がウスバサイシンまたはケイリンサイシンという植物の根茎と規定されています。
しかし、中国では、ケイリンサイシンの地上部も含めた全草が用いられることがあるそうです。
このような例は他にも多く存在するとのこと。
まあ、国内で承認され、流通している医薬品に関しては日本薬局方に規定された生薬が使用されているため、問題はありません。
しかし、渡航先や個人輸入で仕入れた海外製品の生薬製剤を使用する際には注意が必要となります。
また、漢方と同じ名前が付いて販売されていても、副腎皮質ステロイドや血糖降下薬、甲状腺ホルモンなどの西洋薬が含有されているような場合もあるようで、この点も注意が必要となります。
国内の生薬の輸出入
国内で消費されている生薬は7~8割が中国や朝鮮半島などからの輸入品で占めています。
中でも中国は最大の生薬供給国です。
中国は気象条件によって7つの地域に分類され、それぞれの環境に合った生薬が生産されているそうです。
朝鮮半島では、高麗人参などが生産されています。有名ですね・・・
その他、茯苓や葛根、山茱萸、香附子なども古くから生産されている代表的な生薬です。
日本では?
日本では江戸時代から生薬の栽培が始まったといわれています。
特に八代将軍の徳川吉宗は日本各地で生薬の栽培を奨励したといわれています。
生薬の栽培は大正後期から昭和初期にかけて本格化し、柴胡、当帰、川芎、芍薬などは一時期海外へ輸出もされたほどだったとか・・・
現在では、薬30品目が契約栽培されるにすぎず、人件費の高騰や土地の確保が困難であるなどの理由から海外の輸出に頼らざるをえない状況のようです。
次回は、生薬の加工についてまとめます。
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