医薬品の種類によっては特別な管理が必要なものがあります。
まず、生物由来製品、特定生物由来製品の管理について学んでいこうと思います。
記載内容に不備、言い回しをわかりやすくしていることによる法規的な文章との違いなどがあるかもしれませんが、ご了承くださいませ。
何かご指摘がありましたら、是非ともお問合せフォームより指摘いただけますと幸いです。
では、はじめましょう!
生物由来製品
生物由来製品とは、人その他の生物に由来するものを原料または材料としって製造される医薬品、医療機器等のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が定めたもののことです。
例)血液製剤、ワクチン、動物細胞由来の遺伝子組み換え製剤など
ただし、植物由来は除かれます。
また、保健衛生上特別な注意とはおもに感染症発症リスクのことを指します。
よって、この感染症リスクが極めて低いと考えられるものは対象外です。
例えば、牛黄、ゼラチン、カイコの糸を使用した医療機器、OTC、医薬部外品、化粧品はこの生物由来製品には該当しません。
また、再生医療等製品も指定の対象外です。
包装容器の表示
生物由来製品には包装、容器に決まった表示が必要です。
白地に黒枠、黒字で『生物』と記載。
また、製造番号と記号も表示します。
次に、生物由来製品の中でもより特別な管理の必要な製剤についてみていきましょう。
特定生物由来製品
特定生物由来製品とは、生物由来製品の中で特に感染症発生のリスクが高いもので、主に人の血液や組織に由来する原料または材料を用いた製品のことです。
包装容器の表示
特定生物由来製品の包装や容器にも決まった文言が表示されています。
白地に黒枠、黒字『特生物』
また、製造番号や記号の表示
血液製剤は、採血国、血液の採取方法の表示が必要です。
血液の採取方法には自発的な無償供血のことである「献血」とそうでない「非献血」に2つの区分が存在します。
特定生物由来製品の安全対策について
薬剤師や医療従事者は、この特定生物由来製品を患者に使用する際に、患者への適正な説明を書面を用いて行い、理解に努める必要があります。
何を説明するのかというと、
- 疾病の治療または予防のために、特定生物由来製品の使用が必要であるということ
- 特定生物由来製品の原材料とそれに由来する感染症に対して、安全対策がきちんと講じられているが、そのリスクを完全には排除できない旨
- 使用に際して、患者の氏名、住所を記録保存しておくこと
- 感染症発生時等、必要に応じて記録を製造業者等へ提供すること
以上の点について書面にて患者もしくは患者家族に説明し、理解を得るよう努めなければなりません。
また、これらの記録は、保存期間が定められており、使用日から20年間保存することが義務付けられています。
記録内容は下記のとおりです。
- 使用患者の氏名、住所
- 製品名、製造番号、記号
- 使用日
- 危害発生、拡大を防止するために必要と思われる事項
記録の方法に関しては、
様式に特に決まりはありません。
また、電子的に記録する際には、記録を改ざんできない状態でかつ、常に書面での記録を確認できる必要があります。
20年と長い間には色々と状況は変わるものです。
万が一、薬局が廃止になった場合、記録はどうするのでしょうか?
その場合にも記録の保存義務はあります。
では誰が保存しておくのか?
廃止時点での管理者による保存が望ましいです。
しかし、その管理者が病気や死亡などにより記録の管理が困難な場合には、都道府県で保管することができます。
感染症情報の報告
感染症が発生した場合、どのように情報を報告すればよいでしょうか?
感染症gs発生した場合には、薬局は厚生労働大臣(PMDA)に報告します。
これはすべての生物由来製品が対象となります。
報告の期限に定めはありませんが、保健衛生、患者様の安心安全に関わることですのでできうる限り速やかに報告する方が良いでしょう。
最後に
今回は、医薬品の管理のうち、生物由来製品と特定生物由来製品について学びました。具体的にどういった製剤があるのか、製剤自体を詳しく学ぶことも大事ですので、それもゆくゆくしていきたいと思います。
では(^^)/~~~
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