生薬の二次的な加工についてまとめました。
生薬の二次的な加工のことを「修治」と呼ぶそうです。
産地で収穫された生薬ですが、そのまま薬として用いられることは少なく、多くの場合この修治が行われます。
修治の目的
- 毒性や刺激性などの副作用の軽減
- 生薬の性質(薬味・薬性・薬能)の改変
- 薬効の増強
- 保管貯蔵における変質や虫害の防止
- 矯味、矯臭および賦色
- 非薬物部分の除去と粉砕性の向上
代表的な修治
水で洗う ⇒ 乾燥 ⇒ 細かく刻む
柴胡、芍薬など大半の生薬はこの方法で処理されます。
植物性の生薬では外皮をむく、根の中の芯を除去するなど不要な部分の除去も行われることがあります。
ほかの修治の方法
- 薬液に浸す
- 加熱処理をする
- 蒸す
- 煮る
- 発行させる
など様々な方法があります。
中国と日本の修治の違い
中国:各生薬にそれぞれ適した方法を選択して行っています。
日本:乾燥と不要部分除去以外の修治はごく一部の生薬のみ適用されています。
⇒ごく一部の生薬:炮附子(ほうぶし)、乾姜、熟地黄、紅参、炙甘草(しゃかんぞう)など
日本における代表的な修治生薬
附子:トリカブトの塊根
植物の中では最強の有毒成分(アコニチン)のほかに様々な有毒性アルカロイドを含んでいます。
そのため、有毒成分を減らすべく、高圧下で高温水蒸気により加熱するなど様々な修治法が開発されてきました。
塩水やにがりに浸した後、加熱したものは炮附子と呼ばれています。
ショウガ
乾燥させたもの、もしくは軽く湯通ししたあとで乾燥させたもの・・・生姜
煮沸した後に乾燥させたもの・・・乾姜
地黄
乾燥させた状態のもの・・・乾地黄
酒で蒸してから乾燥させたもの・・・熟地黄
人参
人参には様々な修治法があります。
外皮を剥いでから乾燥したもの・・・白参
外皮を剥がずに蒸してから乾燥したもの・・・紅参
甘草
熱を加える・・・炙甘草(薬効が増強します)
修治の方法によって、生薬の名称が変わることがあるため注意が必要です。
次回は、生薬の保存と性質、味についてまとめたいと思います。
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