骨粗鬆症の治療開始後は、骨量や骨代謝、マーカーを測定しながら経過を観察し、治療前と比較して治療効果があったかどうかを判定します。
骨量測定法
治療効果の評価に適している骨量測定法は、腰椎のDXAです。
測定部位が圧迫骨折をしているなど、腰椎で正確に測定ができない場合は、大腿骨近位部のDXAが適しています。
骨量測定は、通常、薬物治療の開始の半年から1年後に治療効果を評価します。
骨代謝マーカー
骨代謝マーカーは、治療開始の3から6ヶ月後と早期から治療効果を評価することができます。
治療薬が有効な場合には投与後1ヶ月ですでに変化が見られるとも言われています。
ビスホスホネート薬、SERM、エルデカルシトール(活性型ビタミンD3薬)などはNTX、CTXなどの骨吸収マーカー。
PTH薬はBAPなどの骨形成マーカー。
ビタミンK2薬は骨代謝におけるビタミンK不足を示す、ucOC(骨マトリックス関連マーカー)。
これらを測定して評価します。
なお、エルデカルシトール以外の活性型ビタミンD3薬やカルシウム薬、カルシトニン薬などは骨代謝に及ぼす影響が少ないことから、骨代謝マーカーを用いた評価は困難です。
骨粗鬆症の治療効果の指標としてQOL評価が行われることもあります。
JOQOL(骨粗鬆症患者QOL評価質問票)が広く使用されています。
JOQOLは、背中や腰の痛みがどの程度あるか、身の回りのことはどの程度できるかなど、患者自身が回答を選んで記入する形式の質問票です。
今回は治療効果の評価について学びました。
次は薬について学んでいこうと思います。
コメント