尿沈査
尿沈査では、採取した尿を遠心分離にかけ、沈殿物を顕微鏡で観察して検査を行います。
尿沈渣は、尿たんぱくや尿潜血などの尿検査で異常値がみられたときに行われます。
異常があるときには、尿中に赤血球、白血球、円柱細胞、結晶成分などがみられます。
これらの尿中の固形成分の数や形から、腎臓や尿路の病気、全身の様々な疾患について診断するてがかりとなります。
尿沈渣所見
陽性とすべき所見
顕微鏡下の1視野に、
- 赤血球は5個以上
- 白血球は5個以上
- 少数の硝子円柱を除く円柱細胞がみられる
- 扁平上皮細胞を除く移行上皮、尿細管上皮、円柱上皮が多数出現している
- コレステロール、ビリルビン、シスチン、チロシン結晶などの病的結晶がみられる
- 尿酸、シュウ酸カルシウム結晶などの正常結晶が多量(2+以上)にみられる
このような状態の時を陽性として考えます。
細胞の出現場所と病態
尿沈渣成分の出現場所と病気の関係です。
赤血球は腎臓や尿路系の炎症、結石による外傷、腫瘍などでみられます。
疑われる病気としては、
尿路感染症、尿路結石、尿路腫瘍、腎炎、ネフローゼ症候群などです。
白血球は主に、腎臓から尿道までの感染症などの炎症性疾患で見られます。
90%が好中球の増加であり、疑われる病気としては、
腎盂腎炎や膀胱炎です。
円柱細胞は、糸球体や尿細管の炎症で見られます。
疑われる病気としては、
糸球体腎炎、腎盂腎炎、ネフローゼ症候群です。
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