バイアスピリン錠100㎎ と バファリン配合錠A81
成分はおなじアスピリンですが、なにがちがうんでしょうか。
添付文書の注意が異なる
バイアスピリン錠100㎎の注意事項
本剤は腸溶錠であるので、急性心筋梗塞ならびに脳梗塞急性期の初期治療に用いる場合以外は、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用させること。
本剤は空腹時の服用を避けることが望ましい。
バファリン配合錠A81の注意事項
アルミシートで包装された状態のままで患者に渡すこと。
本剤は吸湿により分解されることがある。
組成が異なる
バイアスピリン
添加物・・・メタクリル酸コポリマーLD
性状・・・白色の腸溶錠(フィルムコート錠)
バファリン
添加物・・・上記は含有していない
性状・・・アスピリン、ダイアルミネートをそれぞれ別の層に配合した二層錠でオレンジの香味をもつ淡橙色の素錠
製剤の工夫
バイアスピリン、バファリンともに、服用時の胃粘膜刺激を低減するよう工夫されたアスピリン製剤。
ただし、この2つの製剤は異なる製剤技術を用いています。
- バイアスピリン
アスピリンの胃粘膜刺激を低減するために胃内での主薬の溶解を防ぎ、小腸で溶解するよう設計された腸溶コーティング錠。添加物のメタクリル酸コポリマーLDはpH5.5以上で溶解する腸溶基剤であるため、服用後の胃(pH1~3)では崩壊せず、消化管を通過し、小腸(pH6~8)でコーティング層が溶解し始めて薬効が発揮される。
- バファリン
アスピリンに加えて制酸作用のあるダイアルミネートを配合することで服用時の胃粘膜刺激を低減するよう設計された製剤。アスピリンはサリチル酸と酢酸のエステル化合物であり、製剤中に単純にアルカリ性成分であるダイアルミネートと混合すると徐々にエステルの加水分解が進行する。そのため、アスピリンの安定性を確保するため両成分を二層に分離し、アスピリンの化学安定性を確保している。
アスピリン製剤の取り扱い上の留意点
- バイアスピリン錠100㎎の注意事項にあった、「本剤は腸溶錠であるので、急性心筋梗塞ならびに脳梗塞急性期の初期治療に用いる場合以外は、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用させること。」
⇒これは、割ったり砕いたりすることで腸溶コーティング層が破壊され、内部のアスピリンが胃内で溶出し、そこの粘膜を刺激してしまうため。
- バファリン配合錠A81の注意事項にあった、『アルミシートで包装された状態のままで患者に渡すこと。本剤は吸湿により分解されることがある。』
⇒ダイアルミネートに吸湿性があることから二層に分離されたアスピリンと湿潤したダイアルミネートがその界面を中心に反応し、分解が進行するため。
ちなみに、バファリン配合錠を粉砕するときには、湿気を避け、使用期限は2週間弱とすること。
簡易懸濁法
- バイアスピリン
腸溶コーティングがあるので、あらかじめ亀裂を入れてから温湯に入れる必要がある。
崩壊時間:10分(崩壊しにくい)
胃粘膜保護剤を追加する必要がある。 - バファリン
そのまま湯温に入れる
崩壊時間:5分(溶けやすい)
胃粘膜保護剤の追加の必要性なし(ダイアルミネート含有のため)
最後に
昔働いていた病院ではよく施設の患者に粉砕していたので、バイアスピリンも疑問なく粉砕していました。単に胃粘膜刺激たけの問題であるならば、先ほどの簡易懸濁の注意点どおりにい粘膜保護剤をついかすれば粉砕してもよいという結論に至るのでしょうか・・・
最近まで働いていた病院では、粉砕患者・経管投与患者にはかならず、バイアスピリンからバファリンへ切り替えをおこなっていました。
どちらが正しいのか・・・
医療機関ごとに見解はことなるんでしょうか。
現在働いている薬局ではおそらくバイアスピリンも粉砕されていそうな気がしますwww
すでに習慣化されたものをどう変えていくのか・・・
正しさとはなにか・・・?
常に考えさせられますね。
では(@^^)/~~~
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