プレガバリン(リリカⓇ)は神経障害性疼痛の鎮痛目的で使用されるお薬です。
鎮痛薬というと、痛いときに飲むイメージですが、
このプレガバリンはそれらとは異なります。
痛いときに飲む薬ではなく、一定期間服用を続けることによって効果を発揮するお薬なのです。
リリカⓇの患者様向けの資料に次の記載があります。(参考:ヴィアトリス製薬株式会社/エーザイ株式会社 リリカⓇを服用する方とそのご家族へ)
- リリカⓇは神経の痛みに対するお薬です
- 痛いときにだけ服用するのではなく、一定期間服用を続けることで効き目を発揮します
- 少しずつ用量を増やしていきます
- 治療には時間がかかることもありますので、身近な目標を立て、一歩ずつ治療に取り組みましょう
- 痛みが軽減してきたらお薬をやめることも可能です
- お薬の量や服用方法等については、自分で判断せず、必ず医師の指示に従ってください
痛みについて
痛みは、その機序や性質によって
- 侵害受容性疼痛
- 神経障害性疼痛
- 心因性疼痛
の3つに分類されます
侵害受容性疼痛では、組織の損傷や炎症により放出された発痛物質が侵害受容器を刺激し、この刺激が抹消および中枢の神経細胞によって最終的に大脳皮質に伝えられ、痛みとして認知されます。
一方、神経障害性疼痛は、痛みの伝達路である末梢あるいは中枢の神経に損傷(切断、圧迫、炎症、変性)が加わり、神経の働きが以上(過剰興奮)をきたして発現します。このとき、シナプス前の神経細胞終末では、電位依存性Ca2+チャネルを介してCa2+イオンが流入し、興奮性神経伝達物質(グルタミン酸など)が過剰に遊離されています。遊離された伝達物質は、シナプス後の神経細胞の受容体を刺激して興奮させ、それが痛みとして伝えられます。
リリカⓇは神経終末にある電位依存性Ca2+チャネルのα2δサブユニットに結合してCa2+イオン流入を抑制し、伝達物質の遊離を減らして神経の過剰興奮を鎮めることにより鎮痛作用を示します。
用法用量について
プレガバリンは少しずつ用量を増やしていき、一定期間服用を続けることで効き目を発揮します。
服用は少量から、1週間以上かけて徐々に増量していきます。
そのため、効き目が現れるまでに時間がかかることがあります。
プレガバリンは痛いときだけで服用する薬剤ではなく、一定期間服用を続けることで効き目を発揮します。
効き目が現れるまで医師の指示通り服用することが必要です。
自己判断で中止や用量増量に注意が必要ですね( ´∀` )(笑)
プレガバリン服用中の注意事項
- めまいや眠気、意識消失が現れることがあります。
特に高齢の方は、転倒の危険がありますので、十分に注意してください。
服用中は事故の危険がありますので、自動車の運転や危険を伴う機械の操作をしないでください。
- 人により体重が増えることがありますので、気になる徴候があらわれた場合にはご相談ください。
- 腎臓が悪い方、透析を受けている方、心臓が悪い方、妊娠中または授乳中の方は必ずご相談ください。
- ほかにお薬を服用している場合(薬局で買ったお薬も)必ずお伝えください。
- アルコールはお薬の作用を強めることがありますので、注意してください。
- 誤って多く服用した場合にはご相談ください。
- ご自分の判断で服用を中止たり、服用量や回数を変更せず、必ず医師の指示通り服用ください。
- 服用を急に中止すると、頭痛、下痢などが現れることがあります。
効果があらわれ始める時期
プレガバリンの鎮痛効果は服用後1週間以上で認められるという報告があります。
最後に
先日、ある薬剤師(薬剤師歴30年以上)が、リリカを痛くなったら飲ましたらいいよと患者さんに説明していまして・・・・
え?
となりました(;^_^A
続けているからこそ現在痛みがないのかもしれないですし、もしきちんと服用できていなくて、痛みも変わらないもしくはよくなってきているのであれば、痛みの原因が治癒してきているからかもしれません。そうなると、頓服させるのではなく、もう服用しなくてもよいという判断になるのではないでしょうか??
痛み止め=痛いときに飲んでも効くという概念があるので、そういった説明をしてしまいがちですし、
私もきちんと単回投与時の効果については文献を調べていないのでもしかしたら、有効性もあるのかもしれませんが・・・
それでも、スタンダードな使い方としては逸脱した説明のように感じました。
もっと深く勉強していかないといけないと感じる瞬間でした。
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