漢方薬の基礎⑤

医療・薬

今回は治療原則による分類を学んでいきます。

治療原則による分類

漢方薬は邪気が盛んな場合はそれを体外に出す・・・瀉

体内で不足しているものがある場合はそれを補う・・・補

補瀉という治療原則によって分類することができます。

瀉剤

体内の邪気を除く処方群のことです。

邪気が体内で激しく闘っている、実虚でいうと実の場合に用いられます。

解表剤や瀉下剤などがこれに含まれます。

麻黄湯、麻杏甘石湯、麻子仁丸などが該当。

補剤

体内で不足しているものを補うための処方群です。

体内で何かが不足しているために邪気と十分に闘えない、実虚でいうと虚の状態に用いられます。

このとき、何が不足しているかを見極めることがとても重要です。

何を補うかによって補剤はさらに細かく分類されます。

気の不足を補う・・・補気剤の補中益気湯など

血の不足を補う・・・補血剤の四物湯など

気と血の両方を補う・・・気血双補剤の十全大補湯など

腎機能の不足を補う・・・補腎剤の八味地黄丸など

和解剤(和剤)

邪気のある場所が半表半裏とよばれる、

体表(表)と胃腸を中心とする体内の深いところ(裏)のちょうど中間にあり、

瀉剤を投与できない場合に用いられます。

瀉剤と補剤の両方の性質を持っており、

小柴胡湯、四逆散、半夏瀉心湯などが該当します。

次は漢方処方名の由来について学んでいきます。

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