今回は漢方薬の処方名の由来について学んでいきます。
処方名の由来
漢方薬の処方名は単なる漢字の羅列ではなく、もちろんそれぞれ意味をもってつけられています。
はっきりとしたルールがあるわけではないですが、いくつかのパターンが存在しています。
その4つのパターンを学びます。
1.構成生薬もしくは中心生薬の名称から命名されるもの
☆構成生薬名からの命名されたもの☆
例えば、
芍薬甘草湯は
芍薬と甘草で構成される処方で、生薬名が処方名になっています。
また、
麻杏甘石湯は
麻黄、杏仁、甘草、石膏の四味で構成される処方で、それぞれ最初の文字が処方名となっています。
☆処方の中心となる生薬の名前から命名されたもの☆
例えば、
葛根湯は
葛根
当帰芍薬散は
当帰と芍薬が
中心となっている処方であり、それが処方名となりました。
2.処方を構成する生薬の数が処方名に反映されているもの
四物湯や五苓散がこれにあたります。
四物湯は当帰、芍薬、川芎、地黄の四味
五苓散は沢瀉、猪苓、朮、茯苓、桂枝の五味で構成され、
構成生薬の数が処方名に含まれています。
3.薬効から命名されたもの
抑肝散・・・肝の高ぶりを抑える働きから処方名が作られました。
加味逍遙散・・・不安や不眠、怒りっぽいなどの症状が揺らぐ場合によく使われ、症状の揺らぎのことを「逍遥」という言葉で表現したところから処方名がつけられたと考えられています。
4.加減方と合方などの操作が処方名となったもの
抑肝散加陳皮半夏
猪苓湯合四物湯
桂枝去芍薬湯
というように構成処方や生薬をその操作に応じて
「加」「合」「去」の文字でつないでいます。
これらのパターンを複数組み合わせて命名されているものもあります。
例えば、黄連解毒湯は
黄連が中心生薬、解毒は薬効を表しています。
十味敗毒湯は、
十種類の生薬で構成され、
化膿性疾患に用いることから
生薬数の十味と薬効の敗毒が処方名となったと考えられています。
次は漢方薬と民間薬の違いについて学んでいきます。
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