保険の給付率と一部負担金について学びます。
医療給付率
医療給付率とは、医療保険で支払ってもらえる率のことです。
医療費から医療給付分を除いた残りを患者が負担します。(この金額を一部負担金といいます)
社保および国保の本人および家族は共に7割給付、3割負担です。(特例退職被保険者も同様です)
ただし、船員保険の、職務上、下船後3か月以内、通勤災害については10割給付となります。
また、未就学児は6歳に達する日以降の最初の3月31日、つまり小学校入学前までは2割負担です。
高齢受給者、後期高齢者の負担割合は、それぞれの受給者証、保険証に記載されていて、所得によって異なります。
高齢受給者証(2割または3割)
後期高齢者医療被保険者証(1割※または3割)
※令和4年10月より、一定以上の所得がある場合、1割から2割に変更となります(施行後3年間は負担額の緩和措置あり)
窓口負担と高額療養費制度
薬局での窓口負担は、処方箋発行医療機関ごとに一部負担金を徴収します。
また、医療機関や薬局での一部負担金の合計が月額上限を超えた場合、超えた分の払い戻しがある「高額療養費制度」というものがあります。
月額上限は、年齢や所得によって定められています。
あらかじめ、申請した「限度額適用認定書」等の提示があれば、超えた分の窓口での徴収はありません。
もちろん対象は、公的医療保険に加入している人(ほとんどすべての方が対象)です。
高額療養費制度のしくみ
例えば、70歳以上、年収約370万円~770万円の場合(3割負担)
病院の入院などで月にかかる医療費が100万円だとした場合に、
窓口負担は3割となり、30万円です。
そこに高額療養費制度を活用すると約21万円程度(212570円)支給されます。
よって、ざっくりとした自己負担額は約8万円となります。(87430円)
※平均的な所得であれば、1か月の医療費(自己負担額)の上限は8万円程度です。
上限額は年齢や所得によって異なります。
70歳以上の場合
※1つの医療機関等で自己負担額(院外処方代含む)が上限額を超えない場合でも同じ月の別の医療機関等で自己負担額を合算することができます。この合算額が上限額を超えれば、高額療養費の支給対象となります。
69歳以下の場合
※1つの医療機関などでの自己負担(院外処方代含む)が上限額を超えないときでも同じ月の別の医療機関等での自己負担(2万1千円以上であることが必須)を合算することができます。その合計額が上限を達していれば高額療養費制度の対象となります。
世帯合算
負担をさらに減額するしくみも存在します。
おひとり1回分の窓口負担では上限額を超えない場合でも、複数の受信や、同じ世帯にいるほかの方(同じ医療保険に加入している必要がある)の受信について、窓口でそれぞれがお支払いした自己負担額を1か月単位で合算することができます。
その合算額が一定額を超えていれば、超えた分を高額療養費として支給されます。
※ただし、69歳以下の受信については、2万1千円以上の自己負担のみ合算されます。
多数回該当
過去12か月に3回以上、上限額に達した場合には、4回目から「多数回」該当となり、上限額が下がります。
高額療養費の支給申請
高額療養費の支給申請については、自身が加入している公的医療保険(健康保険組合、協会けんぽの都道府県支部、市町村国保、後期高齢者医療制度、共済組合など医療保険)に高額療養費の支給申請書を提出または郵送することで支給が受けることができます。病院などの領収書の添付を求められることもあります。
加入している医療保険によっては、「支給対象となります」と支給申請を勧めたり、さらには自動的に高額療養費を口座に振り込んでく入れるところもあります。
なお、どの医療保険に加入しているかは、保険証(正式んいは被保険者証)の表面にて確認でください。
支給対象
保険適用される診療に対して、患者が支払った自己負担額が対象となります。
医療にかからない場合でも必要となる「食費」、「居住費」、患者の希望によってサービスを受ける「差額ベッド代」、「先進医療にかかる費用」などは高額療養費の対象となりません。
申請してから支給されるまで少なくとも受信した月から3か月程度はかかります。
ちなみに高額療養費の支給を受ける権利の消滅時効は診療をうけた月の翌月の初日から2年です。
したがって、この2年間の消滅時効にかかっていない高額療養費であれば、過去にさかのぼって支給申請することができます。
負担の上限額について
高額療養費では、各医療保険で共通の負担の上限が設定されています。
ただし、健康保険組合には組合独自の「付加給付」としてこの共通額よりも低い負担の上限額を設定しているところもあります。
また、自治体によっては、独自の医療費助成制度があり、医療機関の窓口での支払額が高額療養費の負担の上限より低くなる場合があります。詳しくは、加入している医療保険やお住いの自治体に確認ください。
かかっている病気によって負担の上限は変わり暗線が、血友病、人工透析およびHIVといった非常に高額な治療を長期間にわたって継続しなければならない方について、高額療養費の支給の特例が設けられています。
この特例措置が適用されると、原則として、負担の上限は月額1万円となります。
最後に
私も、息子を出産する前の臨月の段階で、歩行不良になって出産までの約1か月間入院したときに
この「高額療養費」と「出産育児一時金の直接支払制度」を利用して、自己負担額を抑えました。
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