2040年に向けての課題
65歳以上に人口が全人口の35%以上になると言われています。
担い手不足、人口減少が問題となっています。
今回の改訂では医療を効率的に実施をするためにデジタル・トランスフォーメーション(DX)の要素が盛り込まれています。医療に対するDXの関わり方が今後は大きく変化をしていくと思われます。
「cure」から「care」へ
2040年の超高齢社会を乗り切るために、医療の考え方が「cure」から「care」へ変わっていくと思われます。
平均年齢が90歳、100歳を超える時代になると、最後の10年、20年をいかに健康に生きていくかが重要となります。
特に健康寿命、自分の力で生きていける寿命の期間を延ばすために、摂食機能と運動機能を高めるということ医師、歯科医師、薬剤師、リハ専門職、歯科衛生士などの他職種による総合的な対応が必要となります。
特にリハビリテーション・機能訓練、栄養管理、口腔ケアが特に重要になります。
リアビリテーション・機能訓練
- 筋力、持久力の向上
- 活動量に応じた適切な栄養摂取量の調節
- 低栄養の予防、改善
- 食欲の増進
栄養管理
- 適切食事形態
- 摂取方法の提供
- 食事摂取量の維持、改善
- 経口摂取の維持
口腔ケア
- 口腔、嚥下機能の維持、改善口腔衛生や全身管理による誤嚥性肺炎の予防
2040年までの重要な政策「三位一体の改革」
医療計画(医療法)
- 地域医療構想(入院・外来)
- 新興感染症(コロナ)等の感染拡大時における体制確保
医師偏在対策(医療法・医師法)
- 医師偏在(区域、診療科、シーリング、認定制等)
- 医師確保(地域枠、地元枠等)
- 外来医療機能(地域、診療科、グループ診療、医療機器等)
働き方改革(労働基準法)
- 医師の働き方改革(タスクシフト、タスクシェア、業務の整理等)
- 薬価制度改革と毎年薬価改定
- 薬機法改正 薬局と薬剤師のあり方改革
- データヘルス改革
これらをともに進めながら2040年までに対応できる体制が盛り込まれています。
地域医療構想とは?
将来、人口推計をもとに2025年に必要となる病用数を4つの医療機能毎に推計したうえで、地域の医療関係者の協議を通じて病床の機能分化と連携を進め、効率的な医療提供体制を実現する取り組みです。
【構想区域単位】
- 高度急性期
- 急性期
- 回復期
- 慢性期
機能別病床数を設定
2020年度の各病院の申告による合計で算出した病床機能報告の2025年度見込みは、
計119.8万床のうち、13%(15.9万床)が高度急性期、45%(53.5万床)が急性期、17%(20.5万床)が回復期、25%(29.9万床)が慢性期となっています。
地域医療構想における2025年の病床必要量は、2016年度末時点の推計で、高度急性期は11%、急性期は34%、回復期は31%、慢性期が24%です。
まだまだ国が求めるものとの差があります。特に急性期と回復期の大きなギャップを今後埋めるような政策が進んでいくかと思います。
医師の働き方改革とは?
現状は病院勤務医の約4割が年960時間超、薬1割が年1860時間超の時間外・休日労働を行っている状態となっています。
特に、救急、産婦人科、外科や若手の医師は長時間勤務の傾向が強いです。
36協定が未締結であったり、客観的な時間管理が行われていない医療機関も存在します。
そして、患者への病状説明や血圧測定、記録作成なども医師が担当しており、業務が医師に集中し
ています。
こういったことを解決するために、適切な労務管理の推進、タスクシフト/シェアの推進を行い、医師しか行えなかった業務を特定看護師などほかのメンバーで行うなど分散させていく取り組みが今後も進んでいくと思います。
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