骨粗鬆症の治療薬⑤活性型ビタミンD3薬

食物から摂取して、体内で吸収されたり、皮膚で合成されたビタミンDは肝臓と腎臓で酵素の働きによって活性型ビタミンDへ変換されます。

この活性型ビタミンDが生体内でさまざまな働きをしています。腸管からのカルシウムの効率的な吸収に不可欠な要素です。

活性型のビタミンD3を化学合成したり、プロドラッグとして開発されたのがアルファロール、ワンアルファやロカルトロールです。

これらの活性型ビタミンD3薬は腸管でのカルシウム吸収を促進します。

あた、副甲状腺ホルモン分泌の抑制や骨石灰化を促進する作用もあります。

さらに、活性型ビタミンD3薬の骨に対する作用を増強する目的で活性型ビタミンD3誘導体のエディロールが開発されました。

エディロールには、従来の活性型ビタミンD3薬が有する腸管からのカルシウム吸収促進作用などに加えて、より強い骨吸収抑制作用があります。

高齢者にビタミンDを補充すると、転倒が減少することなどが報告されていることから使用が推奨されています。

アルファカルシドール

禁忌:高カルシウム血症またはビタミンD中毒症状を伴う患者　など

活性型ビタミンD3薬はカルシウムやビタミンDを含む他の薬やサプリメントとの併用や過量投与によって高カルシウム血症が現れる恐れがあります。そのため、定期的に血清カルシウム値の測定が行われます。