漢方薬の基礎①

医療・薬

漢方薬はいくつもの生薬を組み合わせて作られた薬です。

それぞれ異なる薬効をもつ生薬を理論に従って組み合わせることで、漢方薬の薬効は単なる各生薬の薬効の総和とは異なるものとなります。

そのため、漢方薬を適切に取り扱うためには、個々の生薬の性質や薬効について十分に理解したうえで、漢方薬をひとつの薬ととらえ、薬効を考える必要があります。

まず、漢方薬の基礎として、剤形から勉強していこうと思います。

漢方薬の剤形

上図のように、漢方薬は様々な剤形が存在しています。

現在ではエキス剤が開発されており、多く使われています。

エキス剤はツムラのエキス顆粒やクラシエのエキス細粒、エキス錠などがありますね。

湯液

古くから使われていた剤形のうち、最も多く用いられたのが、湯液です。

湯液は生薬の必要量を混ぜ合わせて、水に入れて煮詰めたものです。

湯薬、湯剤、または煎じ薬とも呼ばれます。

湯薬は必要に応じて、生薬やその分量、煎じる方法などを自由に調節できるため、患者さんひとりひとりの病態に応じたオーダーメイドなお薬を作ることが可能です。

しかし、その反面で、煎じるのに時間がかかったりと面倒であり、携帯もしにくい、長期間保存できないなどデメリットがあります。

本来の剤形が湯液である処方には、桂枝湯、麻黄湯、葛根湯などがあります。

通常、処方名の末尾に「湯」がついています。

丸剤

古くから使われてきた剤形の中で最も保存性に富んだ剤形です。

粉末状にした生薬にハチミツなどの結合剤を加えて球状に練り固めたもので、丸薬とも呼ばれます。

精油成分が揮発しにくく、長期保存でき、携帯しやすいメリットがあります。

また、成分の放出が遅いため、薬効を長時間にわたって持続させたい場合にも有効な剤形です。

本来の剤形が丸剤である処方には、八味地黄丸、桂枝茯苓丸、牛車腎気丸などがあります。

通常名称の末尾に「丸」がついています。

散剤

湯液と丸剤のメリットを併せ持った剤形です。

粉末状にした生薬を混ぜ合わせたもので、散薬とも呼ばれています。

薬を作る過程で、熱が加わらないことから精油成分が揮発しにくい利点があります。

また、丸剤ほどではないですが、短期間であれば保存が可能であり、携帯することもできます。

本来の剤形が散剤である処方には、加味逍遙散、当帰芍薬散などがあります。

通常、末尾に「散」がついています。

「料」の意味とは?

八味地黄丸料や当帰芍薬散料というように、本来の剤形が丸剤、散剤である処方の末尾に「料」という字をつけることがあります。

本来の剤形が、丸剤、散剤である処方を治療目的によって湯液として患者さんに投与する場合があります。その場合に。処方名の末尾に「料」の字をつけて区別するんだそうです。

軟膏剤

ごま油や豚脂などで生薬を煮詰め、抽出、ろ過した成分をミツロウなどで練り合わせて作ります。

膏剤とも呼ばれることがあります。

現在使用されているのは、紫雲膏、中黄膏(ちゅうおうこう)、神仙太乙膏(しんせんたいつこう)などがあります。薬価収載されているものは、紫雲膏のみです。

軟膏剤は処方名の末尾に「膏」がついています。

エキス剤

エキス剤は、現在日本の医療現場で最も普及している剤形です。

エキス剤の多くは、エキス原末に、賦形剤として乳糖やデンプンなどを加えたもので、さらに加工した顆粒剤、細粒剤、錠剤、カプセル剤が用いられています。

エキス剤には本来の剤形が湯液、丸剤、散剤である処方がふくまれています。

湯液とエキス剤の比較

湯液

   メリット:処方構成を自由に調整できること

        患者一人一人にあわせたオーダーメイド処方が可能です。

        複数の処方を組み合わせたり、構成生薬の数が増えたとしても、
        服用量はあまり変わらないこと

   デメリット:煎じることが不便で時間がかかり面倒であること

         携帯しにくい

         長期保存ができなく、保存状態が悪いと虫やカビが発生することがある

エキス剤

    メリット:煎じる必要がなくすぐに服用できる

         持ち運ぶことができる

         保存性に優れている

         同一ロット間では品質のばらつきが少ない

    デメリット:既製品のため、処方の構成を調節できない

          複数の処方を併用する場合には重なる生薬が過剰とならないよう注意が必要

          同一処方でも構成生薬の組成比や分量が製薬メーカーによって異なることがある

次回は、加減方や合方について勉強したいと思います。

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