尿ケトン体
尿中に見られるケトン体には、
- アセトン
- アセト酪酸
- 3(またはβ-)ヒドロキシ酪酸
があります。
機序
ケトン体は肝臓で脂肪酸の参加により生成されます。
糖質の利用低下、脂質の過剰摂取、糖質の摂取不十分による飢餓状態等により、脂質の分解が亢進し血中濃度が高くなり、尿中に出現してきます。
エネルギー源である糖質の取り組みや利用が障害されると、生体では貯蔵されていた脂肪にエネルギー源を頼るようになります。
すると、脂肪は分解され、肝臓でケトン体が産生されて血中に出て来ます。
ケトン体は脳、心臓、骨格筋などの肝臓以外のさまざまな組織でエネルギー源や脂肪の合成に再利用されます。
ところが、肝臓からのケトン体の供給が組織での利用可能以上になると、血中にケトン体が蓄積し、血液が酸性に傾く「アシドーシス状態」となります。
さらに尿中にもケトン体が排泄されます。
このように尿中ケトン体の増加から、血中ケトン体の増加を間接的に調べることができます。
尿ケトン体と疾患
尿ケトン体に異常をきたす疾患としては、
糖質の利用が低下する場合、
コントロール不良な糖尿病があげられます。
インスリンの作用不足により血糖のコントロールが不良になると、ケトン体の産生が亢進され、血中のケトン体濃度が増加し、血液はアシドーシス状態になります。
このように、糖尿病によるケトン対応化によって引き起こされるアシドーシスを糖尿病性ケトアシドーシスといいます。
尿ケトン体は、糖尿病のコントロールできているかの指標として検査されることが多いです。
その他、尿ケトン体に異常をきたす場合として、
高脂肪職の過剰摂取や絶食、飢餓などがあげられます。
このことから、尿ケトン体を検査して体脂肪分解の指標や、糖質の摂取状況などの栄養管理に用いられることがあります。
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