臨床検査 尿検査(尿糖)

医療・薬

尿糖

生命活動のエネルギー源であるブドウ糖は、血液中に常に一定に含まれています。

これを血糖といいます。

血糖は、膵臓から分泌されるインスリンによって組織細胞に取り込まれます。

取り込まれた糖はエネルギー源に変換されたり、必要なときまで貯えられたりしています。

健康な場合は、糖は尿中に出ていくことなく、糸球体でろ過されたとしても、尿細管で再吸収されて血液中に戻ります。

ところが、インスリンの分泌や作用が低下すると血液中の糖を細胞に取り込むことができなくなり、高血糖状態になります。

検査方法

尿検査の方法としては、定性検査と定量検査があります。

定性検査

尿の中に試験管を用いて尿糖が出ているかどうかを調べます。

定量検査

1日分の尿中に出る糖の量を調べます。

尿糖検査は、糖尿病のスクリーニング検査として用いられます。

尿糖と疾患

尿糖が見られる場合には、糖尿病や腎性糖尿が疑われます。

血糖値が170mg/dLを超えると、尿中に糖が漏れ出て来ます。

この時の血糖値を尿糖排泄閾値と言います。

腎性糖尿とは、尿糖排泄閾値が低いために、血糖値が正常であっても尿糖が出てきてしまう状態です。若い人に多く見られますが、必ずしも病気とは言えないので、特に心配はないようです。

尿糖検査で糖尿病が疑われても、すぐに糖尿病とは診断できません。

血糖検査やブドウ糖負荷試験(75gOGTT)を実施し、空腹値血糖値が126mg/dL以上、75gOGTTで、2時間値200mg/dL以上、随時血糖値が、200mg/dL以上のいずれかで再確認し、糖尿病と診断されます。

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