臨床検査 尿検査

医療・薬

尿検査や便検査は苦痛がなく、手軽に行えるため多くの疾患のスクリーニングに用いられています。

そのため、健康診断や人間ドックでは必ず行う検査となっています。

まず、尿検査から見ていこうと思います。

尿の生成を行う腎臓や体のどこかになんらかの異常があると、不用物が排泄されなかったり、排泄されてはいけないものが尿に混じったり尿量や排尿回数が変化することがあります。このように、尿の中の成分、性質、量から体の異常を調べる検査を尿検査と言います。

尿の生成と排泄

まず、尿の生成と排泄の仕組みについて理解しましょう。

口から摂取した食べ物や飲み物は胃や小腸で吸収されます。吸収された成分は血液を介して全身を巡り、体内で利用されます。

余分になった老廃物、代謝物、水分は血液を介して全身から腎臓へ運ばれます。

血液によって然真の組織から運ばれてきた老廃物や水分は、腎臓の糸球体に濾過されて原尿になります。濾過された原尿のうち、尿細管で必要な成分や水分が大部分再吸収されます。不要な物質や水分として残った尿は尿管を通って膀胱にためられます。

膀胱に300〜400mlの尿が溜まると、尿意を催します。

膀胱に溜められた尿は膀胱を通って排出されます。

尿の性状

尿量の基準値

正常な場合の尿量はトイレ1回あたり、150mL~250mL(約コップ1杯)ぐらいです。

また、膀胱に尿を貯められる限界は約300mL~400mLぐらいと言われています。

1日のトイレの回数は、個人差がありますが、日中4~6回、夜間は0~1回程度です。

1日に10回以上と回数が以上に多かったり、逆に2回以下とほとんどトイレに行かないような場合には、異常があると考えられます。

1日に排泄される尿量は、約500~2000mL程度です(個人差あります)。

尿の成分

健康な人の尿中の成分は、水分が90~95%を占めています。

その他に、体で代謝された尿素やアンモニアなどの有機成分、NaやClなどの電解質、および微量のビタミン、ホルモン、酵素などがみられます。

このように糸球体は小さな分子はろ過することができますが、蛋白や血球などの大きな分子はろ過できないため、尿中にはほとんど見られません。

逆に、蛋白や糖など、健康な時には尿中に見られない成分が見られた場合には、体のどこかに異常があると考えられます。

<正常な尿中にはほとんどみられない成分>
・蛋白 ・糖 ・血液 ・細胞

尿検査で調べる項目

尿検査の項目として、

があります。

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